紙巻きたばこからプルームXへ乗り換えを検討するさい、プルームXの有害性について気になる人は多いはず。
なんとなく、紙巻きたばこより加熱式たばこの方が害は少ないってことは知ってても、どれくらい害があるのか?なんて、詳しく知らない人がほとんどだと思う。
ってことで今回はプルームXの有害性について徹底的に調査し、ニコチン量やタールについて出来るだけ分かりやすく解説していくので、よかったら参考にして欲しい。
まあ、加熱式たばこもタバコなので、全くの無害ってことは無いぞ!
- プルームXの有害性について
- プルームXのニコチン量について
- プルームXのタールについて
プルームXに害(ニコチン・タール)はあるのか?
プルームXに害はあるのか?について解説していく前に、プルームXについて知らない人もいると思うので、ざっくりと説明しておく。
プルームXはJT(日本たばこ産業)が販売する高温加熱式たばこデバイスのこと。
JTと言えばプルームテックやプルームテックプラスなど、臭いの低減や環境に配慮した低温加熱式たばこを思い浮かべる人も多いと思うが、プルームXはそれとは全く違うプロダクト。満足できる吸いごたえとたばこ本来の味わいを追求する最新の高温加熱式たばこデバイスだ。
そんなプルームXだが、たばこ葉を加熱し発生した蒸気(たばこベイパー)を吸うため、決して害が無いなんて言うことはできない。
プルーム・エックスには、健康へのリスクがありますか?
プルーム・エックス専用のたばこスティックには、たばこ葉を使用しています。このため、プルーム・エックスの使用は健康へのリスクを伴います。
ploom X CLUB
上記の回答にあるように、プルームXを吸うと健康へのリスクがあるのは、JT側も当たり前に認めている。
これから、その有害性について研究発表などをもとに詳しく解説していくのだが、読むのが面倒って人は、「紙巻きたばこよりマシな可能性が高いけど無害じゃない」って理解しておけば個人的には問題ないと思う。
紙巻き吸っている人なら、健康面で切り替えるメリットはあるわけだな
Ploom X(プルームエックス)の有害物質について
たばこの害の大小を計るのに[ニコチン・タール]の数値を見て判断している人は多いと思う。
しかし!プルームXを含む加熱式たばこは、これまでの紙巻きたばこの測定方法では正確な数値が測れないため、ニコチンやタールの量を記載することは出来ない。
よって、プルームXのたばこスティックにはニコチンやタールの記載は無く、注意書きのみとなっているってわけだ。
それじゃあニコチンやタールはどうなってるんだ?
なぜ加熱式たばこは、ニコチンやタールの測定できないのか?
まず、プルームXを含む加熱式たばこがニコチンやタールの量を測定できないのか?については知っておくべきだろう。
日本における紙巻きたばこのニコチンやタールの測定方法は、たばこ事業法に基づく財務省令により、財務大臣の定めるISO方式に準拠した方法での測定が定められている。
その測定方法は、自動喫煙器を使用し、決められた条件の下で主流煙の粒子部分を集める。ニコチンは、集めた粒子を溶かして測定し、タールは、その粒子の重さからニコチンと水分の重さを差し引いて測定するという方法。
そのため、紙巻きたばこを燃焼させて発生する煙と、加熱式たばこが加熱して発生する蒸気は全く別物なので、同じ測定方法では測ることができないってわけだ。
そもそも、紙巻きたばこの測定方法に基づくタール・ニコチンの数値は、同じ紙巻きたばこなら製品毎の数値を比較することはできるが、喫煙者が実際に摂取するタール・ニコチンの量をそのまま表す数値では無い。
同様に、加熱式たばこ会社が発表している研究結果の数値も、同様の測定方法で計測した場合なら製品毎に比較することはできるが、喫煙者が摂取する有害物質の数値を比較することは出来ないってことは理解しておいて欲しい。
ニコチン量について
では、実際ニコチン量はどのぐらいあるのか?と疑問に思うのが当たり前。そこでJT様にニコチン量を聞いてみたところ、これまでの紙巻きたばこの測定方法では正確な数値が測れない旨と、吸いごたえに関しては「タール10mg程度の紙巻きたばこに相当する」との返答を貰った。
紙巻きたばこのメビウス10mgのニコチン量は0.8mgなので、その理屈を鵜呑みにすればプルームXでも0.8mg相当となるが、まあそんなに簡単な話ではないだろう。ただ、私が日頃から吸っている体感でもそれに近しいとは感じているので参考にするぐらいはいいと思う。
物質名 | 量 | 単位 | CAS | FEMA | CoE |
---|---|---|---|---|---|
水 Water | 3 | mg/puff | 7732-18-5 | – | – |
グリセリン Glycerol | 0.5 | mg/puff | 56-81-5 | 2525 | – |
メントール Menthol | 0.3 | mg/puff | 2216-51-5 | 2665 | 63 |
ニコチン Nicotine | 0.1 | mg/puff | 54-11-5 | – | – |
もっと詳しくニコチン量が知りたいなら、上記の表がJTが発表しているたばこベイパー中の主要な成分の数値だ。
計測方法は、60秒に1回、1回当たり35mlを2秒間かけて、計6回吸引した場合の1吸引当たりの平均値となっており、プルームXを1回吸引するあたり0.1mgのニコチンが含まれていることになる。
まあ、そもそもの測定方法が違うので、ニコチン量の数値だけを見ても仕方ない気もするが、同様の測定方法で計測した場合、プルームテックが0.01mg、プルームテックプラスが0.03mgなので、JTが販売する加熱式たばこの中ではプルームXが一番ニコチン量が多いことは分かる。
私が吸った感覚としてもプルームXはニコチンが強めだと思う
タールは発生しないモノとされている
最近はあまり聞かなくなったが、加熱式たばこはタールゼロを謳って販売されてきたことをご存知の人は多いと思う。確かに、この言葉は嘘では無いのだが、私達ユーザーが想像するタールゼロとは少し違っている。
タールとは?
たばこの煙のうち、一酸化炭素やガス状成分をのぞいた粒子状の成分のこと。
e-ヘルスネット
プルームXをはじめ、加熱式たばこがタールが発生しないと言っているのは、タールの定義がたばこの煙から発生する有害物質の総称を指しているから。つまり「タールは、たばこ葉を燃焼させたときに発生する成分の総称で、たばこ葉を加熱する加熱式たばこで発生する成分とは違う」ってのが、たばこ会社の言い分ってわけ。
ただし、プルームXでもタールに含まれる有害物質は少ないながらも発生しているのが事実としてある事は知っておくべきだろう。
発生する有害物質について
物質名 | 量 | 単位 |
---|---|---|
アセトアルデヒド | 9.64 | μg/puff |
アクロレイン | 0.253 | μg/puff |
ベンゾ[a]ピレン | 0.0479 | ng/puff |
ベンゼン | 0.0105 | μg/puff |
1,3-ブタジエン | BDL(0.00264) | μg/puff |
一酸化炭素 | NQ(0.0203) | mg/puff |
ホルムアルデヒド | 0.300 | μg/puff |
4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン (NNK) | 1.20 | ng/puff |
N-ニトロソノルニコチン(NNN) | 2.13 | ng/puff |
上記の表が、プルームXを吸ったときに出るWHOが健康リスクの観点から含有量の低減を優先して推奨している成分の数値一覧。30秒に1回、1回当たり55mlを2秒間かけて、計11回吸引した場合の1吸引当たりの平均値となっている。
まあ、表だけ見てもいまいちよく分からないと思うが、量は置いといて少なからずタールと同じように、プルームXの蒸気(たばこベイパー)には有害物質が含まれているってわけだ。
ただし!これらの数値は紙巻きたばこと比べると、大幅に低減されていることも知っておいて欲しい。
プルームテックやプルームテックプラスと比べると多いけどな
プルームX含む加熱式たばこは、有害物質による健康懸念が小さいことが証明されつつある
プルームXをはじめ加熱式たばこの健康懸念は紙巻きたばこと比べ歴史が浅いこともあり、現状どのぐらい体に影響があるのかはハッキリしていない。
しかし、たばこ会社や第三者の研究機関により「害はあるけど小さい可能性が高い」が証明されつつある。
例えば、JTサイエンスが発表した「市販加熱式たばこ使用時の体内に取り込まれる健康懸念物質量(曝露量)の調査」では、紙巻きたばこの喫煙からプルームXに完全に切り替えることによって、たばこ煙に含まれる成分の多くは人への暴露量(大気、飲料水、食品、皮膚接触から人体に取り込む量)低減示されているし、測定した多くの成分で曝露量低減の程度は、プルームX使用時および禁煙時と同程度であったとなっている。
他にも、厚生労働省が発表している「加熱式たばこにおける科学的知見」では、加熱式たばこの主流煙には、紙巻きたばこと同程度のニコチンを含む製品もあるが、加熱式たばこの主流煙に含まれる主要な発がん性物質の含有量は、紙巻きたばこに比べれば少ない。さらに、加熱式たばこ喫煙時の室内におけるニコチン濃度は、紙巻きたばこに比べれば低いとなっている。
まあ、中には紙巻きたばこより加熱式たばこの方が健康懸念が大きいなんて言っている研究者もいるので100%とは言い切れないが、紙巻きたばこより加熱式たばこの方が健康懸念の心配は小さいと思っておいて問題ないと思う。
JTだけじゃなく、アイコスを販売するフィリップモリスなんかも自信満々だしな
プルームXの害(ニコチン・タール)についてよくある質問
- プルームエックスのニコチン量は?
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プルームエックスのニコチン量は、これまでの紙巻きたばこの測定方法では正確な数値が測ることはできない。ただし、JT公式での説明では「吸いごたえに関しては、タール10mg程度の紙巻きたばこに相当する」との返答があった。
紙巻きたばことの比較はできないが、正確な数値として、60秒に1回、1回当たり35mlを2秒間かけて、計6回吸引した場合の1吸引当たりの平均値は、プルームXを1回吸引するあたり0.1mgのニコチンが含まれていると、ニコチンの数値は発表されている。
- プルームエックスのタール量は?
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プルームXは、たばこスティックを燃焼させず加熱することからタールは発生しないものとされている。しかし、タールと同様に健康懸念物質が含まれている。
- 紙たばことプルームXどっちが体に悪い?
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紙たばこと比べると加熱式たばこの歴史が浅いことから確実とは言えないが、様々な研究結果でプルームXを含む加熱式たばこの方が健康懸念が少ないことが発表されている。
プルームXの害(ニコチン・タール)について┃まとめ
- 害(ニコチンやタール)はあるにはある
- 紙巻きたばこと比べると加熱式たばこの有害性は小さい
今回は、プルームXの害について詳しく解説してみた。
長々とした解説になってしまったが、基本的には「紙巻きたばこよりマシな可能性が高いけど無害じゃない」って理解しておけば十分だと思っている。
紙巻きたばこからプルームXに切り替えを検討しているなら、紙巻きを吸うよりもマシなのもメリットの一つとして覚えておいて欲しい。
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